女王が、変装して迫害しに来るシーンです。🤣
この象徴的な意味について解説しています。
女王は、白雪姫の心の中の母親
昔話の読み方
昔話の主人公というのは、特別でして、物語のすべての中心を担います。
どういうことかというと、昔話に描かれる風景や主人公が出会った人々は、すべて主人公の心の中に生じたことになります。
つまり、内側にあるものが、ぜんぶ外側に披露されているような感じです。
そういう表現方法になっています。
母親の死と、自立までの道のり
これを、白雪姫に当てはめますと、女王というのは、白雪姫の心の中の母親像ですね。
で、のちのち女王は焼かれて死んでしまいますから、白雪姫の心の中からいなくなることが分かります。
白雪姫の心の中から、母親的なものがなくなるということですね。
つまり『白雪姫』という話は、母親からの脱却の物語と見ることができるわけです。
この話は、母と娘が一体的な依存状態からの自立を語っています。
女王が白雪姫を迫害するというの解釈

まず、迫害道具については、民話の道具も含めて、別の記事で詳しくでやっています。
>>【白雪姫】民話の女王も毒リンゴで殺したのか?
この記事で、女王が持ってくる道具の共通点が「美しさを高める道具」というのが、分かっていているので、以降道具については、その意味で進めていきます。
リンゴは、少し意味が違ってきますので、これも別記事でやってますので、どうぞ。
道具を持ってやってくる女王
では、女王迫害のシーンをみていきましょう。
女王が道具を持って、迫害しにくる場面です。
白雪姫に女王が訪ねてきたとということは?
白雪姫の心の中に、女王的な要素が芽生えたということですね。
ですが、女王を見ると、この場合、変装もしているし、道具も持っているので、だいぶ意味は混み合ってますね。
白雪姫は「美しさ」に興味津々
飾りひもと、くしなど「美しさを高める道具」を見せられて、白雪姫は興味が止められません。
小人が「誰も家に入れてはならない」と、あれほど注意したにもかかわらず、家に入れてしまうのはこの欲望が抑えられないからです。
このシーンは、類話でも似たような話になっています。
やっぱり、美しさへの好奇心が抑えられないんですね。
このおさえられない心情――。
それが、そのまま「美しさを高める道具」となって表現されていると言えます。
道具を売りに来る女は「醜い女」
アクセサリー類を持ってくるのは、なぜか「醜い老婆」です。
「老婆」や「乞食」「魔女」とか多いんですよ。
小綺麗な人はいません。
老婆は、「醜さ」ですね。
つまり、白雪姫の心に「醜さ」が生じたということです。
美しくなろうと望めば、美を高めることに努めますが、同時に、「醜さ」を避けることにもつながります。
美しさへの興味ばかりではなく、その負の側面を知っていくということを「醜い老婆」で表現していると思われます。
これは、成長して大人になる中で、だれでも、経験することでしょうね。
まとめ:影を知ることで成長する

白雪姫は「無垢」では、いられなくなります。
老婆の影や女王の嫉妬の側面を知ることで、受け入れられないことをきちんと選別していく姿勢というのも大事になってきますね。
この迫害のシーンは、無垢からの脱却のシーンでもあるのかと思います。
今回は以上です。