白雪姫

【白雪姫】7人の小人シーン 原作との違いを比較【ディズニー&グリム童話】

7人の小人ー笑顔
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アニメ『白雪姫』小人シーンの挿入歌

小人シーンで、思い出される挿入歌といえば「ハイホー」ですね。

ハイホー(Heigh-Ho)【英語バージョン】

ハイホー(Heigh-Ho)【日本語バージョン】

The Silly Song (The Dwarfs’ Yodel Song)[小人達のヨーデル]

また、女王が毒リンゴをつくっている間に、歌って踊るシーンがあるのですが、こんな歌も歌ってます。

ディズニー&グリム「小人シーン」比較【セリフ関係まとめ】

それでは、ここからは、ディズニーとグリム童話の「小人シーン」の違いを見ていきます。

  • ディズニーの白雪姫:小人に対して、お母さんのように振舞います。
  • グリム童話の白雪姫:まだ子供のような感じです。

そもそも、年齢の設定が、ディズニーは14歳、グリム童話は7歳というのもありますね。

ディズニー映画とグリム童話の「小人シーン」の違いについて見ていきましょう。

  • 小人の家の中の様子は?
  • 白雪姫が家に入り、はじめにとった行動は?
  • 白雪姫&小人たちの初対面の状況は?
  • 小人がはじめて白雪姫を見た時のリアクションは?
  • 白雪姫がはじめて小人を見た時のリアクションは?
  • 小人シーン、その後の違い

小人の家の中の様子は?

おこりんぼ

©Disney

ディズニーもグリム童話も、狩人に命を救われたあと森に逃げ込んでのシーンになりますね。

狩人シーンの詳細は、別の記事になってます。

【白雪姫】狩人全セリフ&裏切り方を比較【ディズニーとグリム童話原作】

森の中で見つけた家は、どちらの話も、小人は仕事に行っていて留守なんですね。

小人の家の様子は?

  • ディズニー:散らかり放題
  • グリム童話:なにもかもが小さい。かわいらしくて、清潔

ディズニーの白雪姫は、森で一緒だった動物たちと小人の家に入ります。

最初、目に入ったのは、7つの小さな椅子です。

「子供が七人いるわけね」

と言って、白雪姫は「小さな7人の子供」が住んでいると推測します。

「テーブルの様子を見ると、ずいぶん、だらしのない子供たちね」

テーブルの上には、食器などが散らかっていて、天井には蜘蛛の巣、暖炉はホコリでいっぱいといった様子です。

グリム童話では、小さな家が見つかったので、ひと休みしようとひとりで入ってみます。

すると、家の中のものは、何もかも小さく、美しい飾りがあって、その清らかなこと、表現のしようがありませんでした。

ディズニーとは、まったく異なり、部屋の中は、清潔ですね。

そして、目に入る物がすべて小さい。

  • テーブル 1台
  • 皿 7枚
  • スプーン 7本
  • フォーク 7本
  • ナイフ 7本
  • グラス 7個
  • ベッド 7台

雪のように白いベッドカバーが、かかっていたという描写もあります。

ディズニーとの違いは、清潔。

また、比較的グリム童話の方が「異界に迷い込んだ」感じがあるのかなと思いますね。

文章とアニメの違いというのもあるかもしれませんが…。

ここで、グリム童話の小人の部屋の中について、昔話研究家がよく指摘することを紹介しておきますね。

ビーダーマイヤー

小人の部屋の中の様子は、グリム兄弟が生きていた時代の「ビーダーマイヤー様式のようだ」と言われます。ビーダーマイヤーとは、市民社会から生まれた19世紀前半の簡素な文化様式です。文学や芸術などにも使われ、庶民的な潮流を特徴としています。小人の部屋の「白」を基調としたインテリア・清潔さ・家庭的な暖かみがビーダーマイヤーっぽいところのようですね。現代でも「ビーダーマイヤー」の言葉を当てた調度品は多くあり、プレゼント用の食器などで知られています。

ビーダーマイヤーの食器類を見て、小人の部屋の雰囲気を感じてみましょう。

ビーダーマイヤーの食器を「楽天市場」で見る

家に入って、はじめにしたことは?

小人の家の掃除

©Disney

ディズニーでは「人のため」、グリム童話は「自分のため」の行動をします。

小人の家で、最初に取った行動とは?

  • ディズニー:部屋をかたづける
  • グリム童話:空腹と渇きを癒やす

ディズニーでは、この時点では誰だか分からない家主のために行動します。

部屋が汚いので、掃除をはじめますね。

「お掃除をしたことがないのね」

そして、片付けられていない部屋を見て、白雪姫は、「お母さんがいない」のではないかと心配します。

「それでは、みんなでお掃除をしましょう。きっと喜んでくれるわ」

それで、ディズニーアニメっぽい動物たちとの掃除・皿洗いシーンがはじまります。

ディズニーの白雪姫には、若干、余裕があるように見えます。

グリム童話は、自分の欲望のための行動ですね。

部屋にあった食べ物と飲み物で、空腹と渇きを満たしたあとは、ベッドで寝てしまいます。

白雪姫は、おなかがすいて、のどが渇いていたので、どのお皿からも、野菜とパンを少しずつ食べ、どのグラスからも一滴ずつワインを飲みました。なぜなら、一人のところから全部とってしまうのは嫌だったからです。

「一人のところから食べるのは、嫌だった」ということですが、どうしてでしょう?

「欲望の制御」の表現ではないかという見方があります。

自分の食欲に対して、抑えが効いているという意味ですね。

この場面「ヘンゼルとグレーテル」と比較できます。

お菓子の家を本能のおもむくままに食べまくる子供ぶりとは少し違いますね。

白雪姫の方が、幾分大人なのかもしれません。

ちなみにですが、「子供」の程度によって、魔女の恐ろしさは変化しますね。「ヘンゼルとグレーテル」の方が恐ろしさは明らかに増しています。子供は魔女に出会いやすい存在です。

ですが、もっと恐ろしい魔女を「グリム童話」の中で挙げるならば、僕的には「トルーデおばさん(KHM043)」だと思いますよ。

白雪姫と小人の初対面の状況は?

二階から見下ろす7人の小人たち

©Disney

ディズニーもグリム童話も、初対面は白雪姫が眠っている時ですね。

これには、「象徴的な意味合い」があるかと思います。

「小人の靴屋」なども、人間が眠っている間に小人がやってくる話ですよね。毎朝、靴屋が起きると、不思議なことに立派な靴ができあがっています。

寝ているときにやってくる小人の意味は?

民間伝承の小人は、人間を避けているというのがあります。

小人は、人間に意識的に見られることを嫌うんですね。

白雪姫でも、そういうのが根底にあって、寝ているときに登場するのでしょう。

ただ、目覚めた白雪姫とは仲良くなりますね。

白雪姫も人間なので、「意識的に見られることを嫌がる小人」と仲良くなるのはおかしいように思います。

ですが、小人は弱っている人間を救ってくれるというのが特徴でもあるんですね。

小人は、困窮極まった人間には、よく手を差し伸べます。また、困っているのに、さらに困るような頼み事をする小人もいて、それを人間が受け入れると大変な恩恵を受けるという話もよくあります。(森の中の三人の小人、いばらの中のユダヤ人)

白雪姫は継母から迫害を受け、森へ迷い込んだ最悪の状況に置かれた人なので、小人と仲良くできるのでしょう。

逆に言えば、意識的に見ることができないほど弱りきった人間には、小人は嫌がらずに仲良くしてくれるいうことでしょうね。

人間が最悪の状況にある時には、小人と出会いやすいのかもしれません。

まあ、とにかく、小人と人間の「意識」は、水と油の関係にあることは間違いありません。

小人がはじめて白雪姫を見た時のリアクションは?

白雪姫と小鳥

©Disney

小人たちが仕事から帰宅すると、どちらの話も、白雪姫がベッドで眠っています。その白雪姫の寝顔を見たときのリアクションです。

小人がはじめて白雪姫を見た時のリアクション

  • ディズニー:「かわいいな」「天使みたいだ」
  • グリム童話:美しさに驚く

どちらも、白雪姫の美しさに驚いて喜ぶことになります。

ディズニーの白雪姫はすぐに目覚めますが、グリム童話の白雪姫はすぐには起きません。

ディズニーでは、小人たちの帰宅の時に、「誰か知らないヤツが家にいる」ということで、アニメを活かしたコミカルなシーンが続いています。

一方、グリム童話の白雪姫は翌朝まで眠っています。小人たちもすぐには起こさずに寝かせておくことにするのは小人のやさしさが感じられますね。小人たちも眠ることになりますが、白雪姫にベッドを1つとられてしまっています。

そのままベッドで寝かせておきました。そこで、七番目の小人は、仲間のベッドにそれぞれ一時間ずつ入って眠りました。

七番目の小人が、六人の小人のベッドを一時間ずつ借りることで対応したということです。

これによって、小人の睡眠時間も判明しましたね。

白雪姫がはじめて小人を見たときのリアクションは?

小人と踊る白雪姫

©Disney

どちらも、目が覚めたときに、小人たちがベッドのそばにいます。

白雪姫がはじめて小人を見たときのリアクション

  • ディズニー:「あら、小人さんなのね」
  • グリム童話:小人に驚いて言葉が出ない

ディズニーでは、目覚めた白雪姫が小人をひと目見ての第一声は

「あら、小人さんなのね」
「どうぞ、よろしく」

とあいさつをします。

寝起きに、小人がそばにいても、白雪姫はあまり驚きません。

それで、返事がないところを見かねた白雪姫は、

「だめね、ご挨拶したのに」

と、小人たちの対応に不満を見せたりするんですね。

このシーンを見ても、白雪姫がお母さんのようです。

この後、白雪姫は

「名前は言わないで、当てるから」

と言って、小人の名前当てゲームをはじめます。

グリム童話の白雪姫は、びっくりして何も言えません。

そこで、小人から話を切り出して、名前やどうしてこの家に来たのかを質問します。

すると、白雪姫は意外にしっかり答えますね。

白雪姫は小人たちに、継母に殺されそうになったこと、けれども、狩人が命だけは助けてくれたこと、そして、一日じゅう走りに走って、とうとうこの小屋を見つけたことを話しました。

自分の身に降りかかった事実をしっかり言語化できるのは、その人の自我の強さでもあります。白雪姫はそれなりに成長した人をうかがわせますね。

小人の家の滞在条件は?

手を出す小人

©Disney

小人たちは、白雪姫を「美しい、可愛い」と手放しでほめちぎりますが、タダでは家に滞在させてくれないんですね。

白雪姫が小人の家に滞在する条件は、「家事全般」をこなすことです。

これは、ディズニー、グリム童話、両者ほとんど変わりませんが、誰が提案するかが違っています。

滞在条件の提案方法

  • ディズニー:白雪姫が提案する
  • グリム童話:小人が提案する

ディズニーは、白雪姫から提案します。

「私をおいてくれるなら、何でもするわ。洗濯、裁縫、掃除、料理だって」

自分からすすんで言い出すので、「滞在条件としての家事の仕事」ではなくなってますね。

なので、この仕事はなくてもいいものになっています。

そもそも、ディズニー版は小人の家に入ってすぐ、掃除をはじめてますからね。

グリム童話では、小人がこう言います。

「もし、きみが、料理や、裁縫や、ベッドメーキングや、洗濯や、編み物など、そして家の中をきちんと整理整頓しておいてくれるなら、ずっと、ぼくたちのところにいていいよ。なにも不自由はさせないから」
小人が、白雪姫に仕事を課すのはそれなりの意味があるんですね。

「仕事」は継母に対抗しうる ~仕事の意味~

小人が鉱山で仕事

©Disney

継母(否定的な母性) ⇔ 仕事

という相対的な関係にあると言われます。

深刻な葛藤状況にある人が、何か創造的な仕事に向かうことによってずいぶん助けられることがしばしば観察されている。我々のお話の小人たちは、こうした創造的な行為を意味している。

S・ビルクホイザー=オエリ(1985)『おとぎ話における母』(氏原寛訳)人文書院.p.69

創造性の発揮や、仕事によって精神性を高めることで、継母的な悪を克服していくという意味合いがあるんですね。

  • 継母(否定的な母性)=深刻な葛藤状況
  • 小人=創造的な仕事

小人の家といっても、ある種の継母的な悪を滅ぼす訓練が行われているのでしょう。

【象徴的な意味】継母は、なぜ昔話では悪役なのか?【継母の正体】

その後の「小人シーン」

おとぼけ

©Disney

女王が小人の家にやってくる回数が違います。

  • ディズニー:1回  毒リンゴ
  • グリム童話:3回  ひも、くし、毒リンゴ
グリム童話は、ひも、くしで倒れた白雪姫を小人が簡単に蘇生させますが、毒リンゴで倒れた白雪姫は、さすがの小人もどうにもできないようです。

ディズニーの結末までは?

  1. 小人たちが、急いで帰宅
  2. 女王を小人たちが崖の突端まで追い詰める
  3. 女王に雷が落ちる
  4. 倒れた白雪姫のまわりで、小人たちがひどく悲しむ
  5. 王子がやってきてキス
  6. 白雪姫が目が覚める

という結末ですね。

一方、グリム童話は毒リンゴを食べた後に、「ガラスの棺」が出てきます。

ディズニーには、ガラスの棺が出てこないんですね。

「ガラスの棺」ついて、小人のセリフがあります。

小人たちは白雪姫を土に埋めようと思いました。けれども、まるで生きている人間のように生き生きとしていて、頬は赤く美しいので、小人たちは言いました。
「この人をあの黒い土の中に埋めることは、とてもできない」
小人たちは、外から白雪姫を見ることができるようにガラスの棺を作らせ、その中に白雪姫を入れて(後略)

白雪姫は死んでいても、生きているように美しいので、周囲から見えるように「ガラス」にしたわけですが、小人のセリフに「土」が出てくるところから、

ガラス ⇔ 土

これが、好対照をなしていると、よく言われるところです。

土は、母なる大地であり、植物を見てもわかるように「死と再生」を表しますね。

ガラスは、やはり鏡と同様、美しさに関係するのでしょう。

そして、ガラスの棺に納めたあと、やってくるのが王子です。

美しい白雪姫を見て、棺をゆずって欲しいと小人に頼みます。

「世界中の金貨を積まれたって渡すことはできない」

と小人はいったんは断りますが、ほとんどプロポーズのような王子の言葉で、小人たちはやむなく棺を譲ることになります。(>>小人がガラスの棺を王子に譲るシーン)

これが、小人の最後のシーンですね。

以上、ディズニー映画とグリム童話の『白雪姫』小人シーンの比較でした。

少しの違いですが、作家の意図や、物語の意味に変化を感じられたと思います。

それでは、今回は以上です。

小人が登場するグリム童話

小人に触れて、そんな創造的なパワーの恩恵にあずかりましょう!

グリム童話の小人が登場する物語

KHMタイトル類話(日本昔話)
013森の中の三人の小人
028歌う骨継子と笛
039小人の靴屋
053白雪姫
055ルンペルシュティルツヒェン
064黄金のガチョウ
068泥棒の名人とその大先生分福茶釜
091土の中の小人
092金の山の王様
110いばらの中のユダヤ人
113王の子ふたり
116青いランプ
161雪白と紅薔薇
165怪鳥グライフなら梨とり
166強力ハンス
182小人たちの贈り物瘤取りじいさん
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