- ディズニー『白雪姫』狩人全セリフ
- グリム童話『白雪姫』狩人全セリフ
狩人が、やり遂げた仕事は、ほとんど一緒ですが、一方は英雄、一方は優柔不断と、性格はまったく違います。
二人の狩人を比較してます(*^0)ノ*・.,;:.,,,。
ディズニー&グリム『白雪姫』狩人全セリフ
- ディズニー『白雪姫』狩人全セリフ
- グリム童話第7版『白雪姫』狩人全セリフ
ディズニー『白雪姫』狩人全セリフ

©Disney
女王が「白雪姫の殺害」を狩人に依頼するシーンです。
狩人「はい、女王様!」
これが、女王と狩人のはじめのシーンです。
狩人は、この早い段階でも、少しだけ抵抗を見せていますね😶。
それから、場面は森の入り口に変わります。

©Disney
花を摘んでいる白雪姫。
背後から白雪姫に近づく狩人。
白雪姫がわけを尋ねると、狩人は女王の悪だくみをすべて打ち明ける。
ひどく狼狽する白雪姫に、
これで、狩人の出番は終わりです。
そのあと、女王のもとに届いた内臓は、魔法の鏡によって子豚の心臓だと見抜かれてしまいます。
怒った女王が「ダマしたな!」という狩人に対するセリフはあるのですが、具体的な行動に移すようなシーンはありません。
狩人の出番は終わりです。
終わりだと思いたい!!…😱。
狩人のその後は…「がい骨」!?
英語バージョンの動画です。
女王が、お婆さんに変装して、カヌーで小人の家へ向かう直前のシーンなのですが…。
「Thirsty? Have a drink!」
「喉が渇いた? 一杯飲む?」
と言って、水差しを蹴飛ばしています。
飛び出てきたのは、蜘蛛ですかね。
正式な日本語訳バージョンは、
「水かい?お飲み」
となってます。このセリフの場面だけでは、がい骨が誰なのか分かりません。
このシーンついて英語のコメントを見てみると、
- 「ブラックジョークだ!」
- 「王様(父親)じゃないか?」
- 「ディズニーの歴史の中で最も暗黒なシーンだ!」
- 「このシーンで、なんだか愉快な気持ちになるのは私だけかしら?」
ちなみに、映画監督のスティーブン・スピルバーグは、子供の頃このシーンを見て、涙を流したと語っています。
じっさい、誰なのかは、明らかにはされていないようです。
まあ、でもウォルト・ディズニーのブラックな遊び心なのでしょうか。
原作グリム童話第7版『白雪姫』狩人全セリフ

まずは、狩人への殺害命令です。
女王様は、狩人を呼びつけて言いました。
「あの子を森へ連れ出しておくれ。もう二度とあの子の顔を見たくない。森の中へ行ったら、あの子を殺して、証拠に肺と肝臓を持っておいで!」
これは、第7版の本文なのですが、初版では、最後のところがちょっと違うんです。
「私は、それを塩で煮て食べようと思うのだ」
というセリフが入っていました。
第2版以降は削除されてます。
グリム童話の初版は「怖い」というはよく言われることころですが、やっぱりヒドさはあると思います。
狩人はお妃の命令にしたがって、白雪姫を森の中へ連れだしました。
狩人がシカを切る大きな刀をぬいて、白雪姫の清らかな心臓を突き刺そうとしたとき、白雪姫が泣き出してこう言いました。
「お願いです。狩人さん。命だけは助けてください。わたしは森の中へかけていって、けっして帰ってきませんから」
グリム童話の白雪姫は、必死に命乞いをします。
白雪姫があまりにも美しいので、狩人はかわいそうに思って言いました。
「それじゃ、逃げて行きなさい。かわいそうな娘よ」
恐ろしいしい獣が、すぐに姫を食べてしまうだろうと、狩人は思いました。
それでも、自分から娘を殺さなくてすんだので、心に重くのしかかっていた石が落ちたような気がしました。
この後の流れは、
- イノシシの子が走ってくる
- 獲物を殺して、肺と肝臓を取り出す
- 証拠として女王様へ持って行く
- 女王が、塩ゆでにして食べる
ディズニーvsグリム「狩人」の3つの異なる点

- 内臓の種類
- ディズニーでは内臓は食べない
- 狩人が殺害しなかった理由
①:「内臓」の種類が異なる
ディズニー:心臓
グリム童話:肺と肝臓
と、違いますね。
②:ディズニーでは内臓は食べない

©Disney
ディズニーでは女王が内臓を食べません。
狩人に内臓を要求はしますが、女王は、白雪姫を殺した証拠が欲しかっただけとなってます。
箱はちょくちょく映るんですが、箱の中身はまったく映さないですね。
アニメとしては、グロすぎてダメだと思ったのか、はたまた、ストーリー的に必要ないと思ったのか。
いずれにしろ、ディズニーの「内臓」は、食べることよりも、白雪姫を殺した証拠としての意味が強くなってます。
グリム童話の方は、内臓を食べますが、ダマされて食べるのは、イノシシの内臓ですね。
ちなみに、昔話では人食いの話が多くあるので、その意味として代表的なのは、「相手の素質を自分の中に取り込む」という意味がよく言われています。
『白雪姫』の話ならば、女王が白雪姫の内臓を欲しがるのは「美しさ」を取り込もうとしていると読むことができます。
③:狩人が殺害しなかった理由が異なる
どちらの狩人も、白雪姫を殺害しません。
その理由は、殺害するにはかわいそうと狩人が抱く感情が原因になっています。
ただ、実行するときに少し違いがあります。
- ディズニー:
狩人自身で、殺害を思いとどまる - グリム童話:
白雪姫から命乞いを受けて思いとどまる
最後のところで、狩人自身の意志なのか、白雪姫の意志なのかの違いがあります。
女王への裏切りの意味

©Disney
ディズニー、裏切りの意味
ディズニーの狩人が白雪姫を逃がしたのは、狩人の人格によるところが大きいでしょう。
ディズニーでは、狩人が逃がすという決断を下しますからディズニー版の狩人は、英雄的な行為をしたことになります。
女王の命令にそむいてまでも、白雪姫を救済したという印象が強いです。
人物的にも、頼れる男として評価は高いでしょう。
一人でやり遂げた感じがあります。
グリム童話、裏切りの意味
結論から言うと、白雪姫の自立心ですね。
事実、狩人が、女王をあざむきますが、テキストを読む限り、その意志はまったくないですね。
女王は、「白雪姫を殺せ」と狩人に依頼し、それに対し、白雪姫は、「殺さないでくれ」と主張します。
これは、間接的に、狩人を仲介してはいますが、女王に抵抗したことになります。
女王の思惑には従わないという意志ですね。
これは、裏切りでもあり、自立心でもあると思います。
女王を欺いたのは、狩人の裏切りというより、白雪姫の意志が女王まで突き抜けたという見方が正しいと思います。
この解釈なら、グリム童話の狩人が優柔不断で、意志の弱い性格というのも意味が通ってくるでしょう。
また、白雪姫に芽生えた意志が、「命乞い」として表現されているのは興味深いところです。
深読みかもしれませんが、命乞いという「生きたい」と当然の思いをもつことが、母親への裏切りになっている?とでも言っているのでしょうかね……😦。
まあ、それはそれとして、今まで、受動的で、言われるがままの女性が、はじめて「自分はこうしたい」と自己主張したシーンだと思います。
まとめ:狩人を知って、人生を豊かにしましょう!

ディズニーとグリム童話の狩人を比較してきましたが、物語や象徴性を楽しむなら、グリム童話の方が魅力的です。
アニメというのは、また別の魅力がありますからね。
白雪姫の狩人は、他の職業でも成立することが分かってます。
▶ 【白雪姫民話シリーズ(狩人編)】民話の狩人役もやっぱり狩人か?
狩人っぽさは、『白雪姫』では、そこまで出ていないかもしれませんね。
狩人の真骨頂は、意識と無意識の橋渡し的存在なので、その辺に詳しい下記のリンク記事をご覧下さい。
それでは、今回は以上です。