ペロー童話『眠れる森の美女』あらすじ

1/5 王女誕生と妖精の予言
昔むかし、あるところに、王様と王妃がいた。
二人は、子供がいないことを悲しんでいた。
→ ところが、とうとう女の子が生まれる。
→ 盛大な洗礼式が開催され、妖精7人が招かれる。
→ きらびやかな食器が、ひとりひとり妖精たちの前に並べられる。
→ ゴールドのケースに、ダイヤモンドとルビーをちりばめたスプーン、ナイフ、フォーク一式が入っていた。
→ あとから、招かれなかった年とった妖精が現れる。
(招かれなかった理由:50年以上塔にこもっていたので、世間では、死んだか魔法にかけられたと思われていた)
→ 年とった妖精は、王様の招待を受けてはいなかった。
→ 王様は、もう一人分の食器セットを準備をさせるが、もとよりゴールドのケースに入った食器は7人分しか造らせていない。
→ 年とった妖精、口の中で、なにやらつぶやく。
→ そばにいた隣の若い妖精、その内容を聞き取り、壁かけの後ろに隠れる。
→ 妖精たち、ひとりずつ王女へ贈り物をおくる。
1人目:世界中でいちばん美しい女性になれる。
2人目:天使の心を持てる。
3人目:驚くほど優雅に振る舞える。
4人目:上手にダンスが踊れる。
5人目:ウグイスのように歌を歌える。
6人目:どんな楽器も見事に演奏できる。
そして、年とった妖精が前に出る。
7人目:つむが手に刺さり、王女は死ぬことになるだろう。
→ 招待客、一同ふるえ上がる。
→ 若い妖精、壁掛けの後ろから出てくる。
8人目:ご安心ください。王様、お妃様、王女様は死んだりはしません。確かに、私の力では、年とった妖精の言ったことを完全に取り消すことはできません。しかし、死ぬかわりに、100年の眠りにつくだけにすることはできます。その後、ひとりの王子が目を覚ましてくれるでしょう。
→ 王様、つむ廃棄のおふれを出す。違反すれば死刑。
2/5 王女、百年の眠りへ

15か16年後のある日、お城に王女を残して、王様と王妃は別荘へ。
王女は一日中城の中を走り回り、だんだんと上の方へのぼり、塔の上の屋根裏部屋へ。
→ ひとりの老婆が、カタカタとつむで糸を紡いでいる。
→ 王女「何してるの?」
→ 老婆「糸を紡いでいるのですよ」
→ 王女「きれい! どうやってるの? かして! あたしにもできるかしら?」
→ 王女、つむで手を刺した。
→ 死んだように倒れる。
→ 老婆は、うろたえて、[誰か、来て!」大声で叫ぶ。
→ 人々が、かけつけ、様々な処置を施すが意識は戻らなかった。
→ 騒ぎを聞いた王様が、かけつける。
→ 王様、妖精の予言を思い出す。
→ 王様、起きるべきことが起きたと観念する。
→ 王様は、お城のいちばん美しい部屋へ運ばせ、金銀の糸で縫い取りをしたベッドに寝かせる。
→ その様子は、まるで天使かと思われるほどに王女は美しい。
王様は、時が来るまで眠らせておくように命じる。
→ そこへ、命を救った若い妖精が、かけつける。
→ 親切な妖精は、4万8,000km離れたマカタン国に行っていたが、小人から知らせを受け、すぐに竜に引かれた光る車に乗り、1時間後にはお城にかけつけた。(参考:地球一周=約4万km)
→ 妖精は、王様が施した処置になにも間違いはなかったと言った。
→ 城にいる人たち全員にもっていたで触れていき、ひとりずつ眠らせていく。
(理由:王女が目を覚ましたとき、ひとりでは困るだろうから)
→ 王様と王妃様は、眠っている娘にキスをして、お城をあとにした。
→ 王様がお城の外に出ると、誰もお城に近づいてはならないとおふれを出した。
→ 15分も経過するとお城のまわりには、いばらを生い茂って、外からはお城のてっぺんが見えるだけになった。これも、誰も入ってこられないようにするための妖精の仕業ではないかと人々は言った。
3/5 王子、いばらの城へ

そして、100年後――。
ひとりの王子が、狩りにやって来て、森にそびえる塔をみとめる。
→ 塔には、いろいろな噂がある。
→ ひとりの年とった農夫が、塔のことを話しはじめる。
→ 50年以上前、父親から聞いた話
「あの城には、この世でいちばん美しい王女が100年眠っていて、ある王子が、目を覚ましてやることになっているそうです」
→ 話を聞いた王子、体じゅう熱く燃え上がる。
→ 王子、愛と名誉心にかられ、行くと決心。
→ 王子が城へと進むと、いばらが道を開ける。
→ 通ると、またもとに戻る。
→ 王子、城内へ。
王子が目にしたのは、恐怖でぞっとする光景。
→ 人間や動物たちが、倒れていて、死んだように見えた。
→ だが、よく見てみると眠っているだけであることがわかる。
いつくもの部屋を通り抜け、王女の部屋へ。
→ 神々しいまでに光り輝く王女を目にする。
→ 震えながら、うっとりしつつ、近づいてひざまずく。
→ 王女、目覚める(キスはなし)
→ 王女はこれ以上は不可能と思われるほど、優しいまなざしで、
「あなたでしたの、王子さま、ずいぶん、お待ちしましたわ」
→ 歓談(4時間)。
城じゅう、王女と一緒に目覚める。
→ 食事、宴。
→ 礼拝堂で結婚。
《グリム童話はこのへんで終わり》
女官が、寝室のとばりを下ろす。
→ 二人は、ほとんど眠りませんでした。(← 原作テキスト通り)
4/5 王子の家族

→ 翌朝、王子は心配しているに違いない父親のもとへ。
王子、父に嘘をつく。
(狩りの途中、森で迷って炭焼きの小屋に泊まり、黒パンとチーズを食べた)
→ 父は信じるが、母親の王妃は納得しない。
→ 王子は頻繁に狩りに出かけるが、そのたび、嘘をつく。
→ 母親は恋人ができたと確信する。
この間が、二年以上あり、ひっそりと子供ができていた。
一人目は女の子のオーロラ(暁)、二人目は男の子ジュール(太陽)。
母親、真実を言わせようと試みる。
→ 王子、打ち明けない。
→ 母親、愛してはいたが、怖れてもいた。というのも、母は人食いの種族で、父と結婚したのも財産目当て。(← いきなり、話が変わってくる)
5/5 王子の母親の狂気

父王、死去。
→ 王子、主君に。
→ 結婚を宣言。
→ 姫を王妃に迎え、二人の子供も連れてくる。
しばらくして、王様、嫁・子供を母王太后に頼んで、戦争へ。
→ 王太后、嫁と子供を森の中の別荘へ追いやる。
→ 王太后、料理長に「オーロラを食べたい」
→ 料理長は殺さない。(理由:可愛いから)
→ 代わりに、子羊の肉を出す。
→ 王太后「おいしい!」
→ オーロラは、料理人の妻にあずけてかくまう。
続けて、ジュール、王妃と、3度繰り返す。
オーロラ→ ジュール→ 王妃
子羊→ 子ヤギ→ 若い牝鹿
料理人、短刀もって王妃の部屋へ。
→ 殺さない(理由:その気になれない)
→ 王太后の命令を王妃にそのまま伝える。
→ 王妃「あなたの義務を果たしなさい。子供達に会いにいく」と首を差し出す。
→ 料理人「子供は生きています」
→ 隠し部屋に案内。
ある夜、王太后がジュールの泣き声を聞く。
→ 王太后、激怒。
→ 翌朝、中庭に大桶。
→中に、ヒキガエル・マムシ・大蛇・小蛇でいっぱいに。
→ 王妃・二人の子供・料理人・その妻を投げ込もうとした時――。
→ 王様が、馬で登場。
→ 王様、何事かと説明を乞う。
→ 誰も言わない。
→ 王太后、ことの成り行きに逆上。
→ 王太后、頭から、大桶にまっさかさまに身を投げる。
→ 王太后、食いつくされる。
→ 王様は、まったく気の毒に思わなかった。
→ 王様は、妻と子供たちと一緒に幸せに暮らした。
参照:La Belle au Bois dormant (1697)
【超あらすじ】太陽と月とターリア(イタリア)【バジーレ:ペンタメローネ】
【あらすじ】奴隷娘(イタリア)【バジーレ:ペンタメローネ】